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関西・私鉄系不動産

空き家の増加は「ビジネスチャンス」

近鉄奈良線学園前駅北側の住宅街。空き家や空き地が増え、植木が生い茂った家もある=奈良市百楽園で2017年7月13日午後、真野森作撮影

不動産価値の維持目指し、空き家の見回りサービスなど

 人口減少や都心回帰によって全国で空き家の増加が問題となる中、関西の私鉄系不動産会社が対策ビジネスに乗り出している。沿線住宅地の不動産価値の維持を目指し、空き家の見回りサービスや不動産仲介、中古物件を大規模改修して再販するリノベーション事業に力を入れる。【真野森作】

     「ここも人が住んでいませんね」。奈良市の近鉄奈良線「学園前」駅北側に広がる奈良屈指の高級住宅街。近鉄不動産の担当者が指さす先には生け垣が森のように茂る豪邸があった。大阪難波駅へ電車で直通約30分と大阪市内への通勤圏だが、近年、高齢化した住民の転居や死去などによって空き家や空き地が少しずつ増えている。

     現地の開発を手がけた近鉄不動産の調査では、奈良市の学園北、百楽園、西登美ケ丘の3地区、全3099区画のうち、空き家は約100軒、空き地と駐車場がそれぞれ約50カ所あった。全体の約6%が住宅として活用されていない。一区画が広いうえに集合住宅は建てられない取り決めがあるなど、売却しづらいことが背景とみられる。

     同社はこうした現状を放置できないとみて、今年6月からこの3地区で空き家・空き地サポートサービスを始めた。月額3000円で、戸建て住宅の専門知識を持った社員が月1回巡回して建物や敷地の状況を報告書にまとめる。住宅診断や草取りを追加したプレミアムコース(月5000円)も用意した。空き地については不法投棄がないかのチェックや、年1回の草刈りを実施する。

     担当者は「空き家が増えると地域の治安にも影響する。エリアのブランドを守り、資産活用しやすくしたい」と話す。

     阪急不動産は昨年9月、阪急・阪神沿線の空き家に関する相談窓口を設置。見回りサービス、売買仲介、賃貸管理などで数件ずつ契約を獲得した。ただ、空き家を民泊物件として活用するプランは、宿泊施設としての初期投資や管理業務を誰がするかといったハードルがあり、成約に至っていない。

     両社はリノベーション事業にも積極的だ。阪急は2006年以降、大阪府と兵庫県の沿線で社宅だった物件3棟をマンションに造りかえて分譲した。今年6月には分譲マンション1戸単位のリノベ事業も本格化させ、「スタイルズ」という新ブランドを打ち出した。阪急不動産の大地一正・住宅事業企画部長は「沿線に空き家が増えるのはマイナス。中古物件でも利用価値があるものにしっかりと手を入れ、売っていきたい」と語った。

     関西では他に京阪電鉄不動産、首都圏でも小田急不動産や京王グループが空き家対策のビジネスに進出している。

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