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環境省「大気汚染物質広域監視システム」で8月9日14時の関東地域の光化学オキシダントの状況を検索すると、黄色部分で注意報が発令されていた=同社ホームページから

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黄砂でかすむ大阪市内。大気汚染物質が砂に付着することもあり肌への悪影響も懸念される=2017年5月8日、本社ヘリから大西岳彦撮影

 工場の煙や自動車の排ガスなど、主に人の生産活動によって日々発生している大気汚染物質。循環器系などへの影響が懸念されているが、最近は肌にも影響を及ぼす可能性が指摘されている。

 そもそも大気汚染物質にはどんなものがあるのだろうか。大気汚染防止法に基づき「大気環境基準」が定められているのは、二酸化硫黄▽一酸化炭素▽浮遊粒子状物質▽二酸化窒素▽光化学オキシダント▽微小粒子状物質(PM2・5)--の主に六つ。浮遊粒子状物質は粒子の大きさが10マイクロメートル(1マイクロメートルは1ミリの1000分の1)以下のもので、そのうち粒子の大きさが2・5マイクロメートル以下のものが微小粒子状物質だ。毛穴の直径は200~400マイクロメートルなので、いかに小さいかがわかる。

 ●汗に溶ける可能性

 日本気象協会と化粧品メーカーのポーラは2010~13年の7、8月、全国の16歳以上の女性20万6929人を対象に肌と夏の気象や大気汚染物質の関係を共同調査。その結果、夏の肌荒れ要因として、紫外線や乾燥に加え、大気汚染物質も挙げられた。

 日本気象協会の気象予報士、平泉浩一さんによると、夏は一年中で風が最も弱い季節。特に山地に囲まれた地域では、そこで発生した大気汚染物質がとどまりやすい。さらに、夏は太平洋高気圧に覆われ、気圧差で昼間海からの風が吹きやすい。東京湾から関東平野に海風が吹けば、東京周辺で発生した大気汚染物質が内陸部に運ばれていく。また、環境汚染に詳しい内山巌雄京都大名誉教授(環境保健学)は「大気汚染物質の粒子の中には水に溶けやすい成分や油に溶けやすい成分のものがある。夏の場合、皮膚から出た汗や皮脂に溶け込んだり付着したりする可能性はあるかもしれない」という。

 ●増えるシミやシワ

 皮膚科医でしらゆり皮フ科・整形外科(横浜市)の池田麻純院長によると、肌のバリアー機能が弱いアトピー患者らは、大気汚染のダメージを受けやすい。健康な肌の人も、大気汚染物質にさらされ続けると、肌を守る機能を持つ活性酸素が過剰に発生して逆に肌の細胞やDNAにダメージを与え、シミやシワができやすくなるという。

 空気が汚染されている地域の人はそうでない地域の人より肌の老化傾向がみられたという海外の研究もある。ドイツの70~80歳の女性400人を対象にした調査では、1日当たり1万台超の車が通る道路近くに住むグループは、そうでないグループと比べ、額のシミが35%、頬のシミが15%多くできた。肌の状況は外出頻度や食事内容といった個々の生活習慣や手入れ方法も関係するが、大気汚染物質の影響も考えられる。

 ●冬から春も要注意

 夏以外も安全とは限らない。大気汚染物質によって濃度が高くなる季節は異なる。白いもやのような状態の光化学スモッグを引き起こす光化学オキシダントは、気温が高く紫外線が強い夏に晴れる日が多いと高濃度になる。主成分のオゾンは、自動車や工場からの排ガスに含まれる窒素酸化物などが紫外線によって化学反応を起こすことで生成されるからだ。

 一方、浮遊粒子状物質やPM2・5は冬から春にかけて濃度が高くなる傾向がある。内山名誉教授によると、春に中国大陸から飛んでくる黄砂自体にはほとんど有害性はないが、最近は中国で発生した大気汚染物質が黄砂の周りに付着して越境してくるため、注意が必要だ。

 日本気象協会の平泉さんも「風の吹き方によって大気汚染物質の運ばれ方は違ってくるので、季節によってそれぞれの地域に与える影響は変わる可能性がある」と指摘する。【川畑さおり】

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