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長部日出雄の映画と私の昭和

「昭和残〓(きょう)伝 死んで貰います」(日本・1970年)

 観客動員数が大幅に減少した昭和45(1970)年に意地を見せたのが高倉健の主演映画だ。「新網走番外地」の「大森林の決斗(けっとう)」と「吹雪のはぐれ狼」、「昭和残〓伝(しょうわざんきょうでん) 死んで貰(もら)います」の3本が、年間配給収入ランキングの5位、6位、7位に顔を揃(そろ)えた。

 高倉健はこの5年前に封切られた石井輝男監督「網走番外地」で一気に大スターの座に駆け上った。手錠でつながれた2人の脱獄囚の話で、大雪原の追跡シーンが抜群の迫力に満ちていたのに加え、受刑囚の愛唱歌だった「網走番外地」を主演の本人が歌ったことが計18作におよぶロングシリーズにするのに絶大な力を発揮した。

 それまでの歌うアクションスター石原裕次郎が甘い声、小林旭が高い透明な声で共に歌がうまかったのに、高倉健はドスのきいた哀愁のある声で、歌い方は決してうまくない。その素朴で武骨な歌声が時代の流れに取り残されたように感じていた男性観客の胸に深くしみ込んで、放送禁止歌とされたレコードの売り上げは200万枚にも達したと言われる。「昭和残〓伝」全9作の7作目「死んで貰います」において、マキノ雅弘監督が描き出…

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