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今週の本棚

養老孟司・評 『塑する思考』=佐藤卓著

 (新潮社・2052円)

仕事を学び、考えることを学ぶ

 題名が「塑(そ)」になっているのは、弾力があって元に戻る、というのとは、反対の状況を指す。押されて凹(くぼ)んだら、凹んだままになっている。それでなにが悪い。そう開き直っているわけではないが、著者の言いたいことはよくわかる。弾力があって戻るというのは、自分があるということで、そこをちょっと考え直してみませんか。著者はそう言う。「あの人は丸い」という定評が付いてしまえば、四角い仕事は頼まれないでしょ。平たく言えばそういうことである。私はすぐに隈研吾の著書『負ける建築』を連想した。現代の優れた創作家は、どちらかというと「塑する」人たちではなかろうか。それができるのは、個性を主張する必要なんかないほど、仕事自体に没入するからである。個性なんて、いわば勝手にそこから出てくる。

 著者はデザイナーで、「明治おいしい牛乳」や「クールミントガム」の包装なら、だれでも目にしたことがあ…

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