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内田麻理香・評 『働きたくないイタチと言葉がわかるロボット』 川添愛・著、花松あゆみ・絵

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 (朝日出版社・1836円)

おとぎ話で知る自然言語処理

 「昔々ではなくわりと最近、あるところに『イタチ村』という村がありました。村の住人はみな『イタチ』でした」……。本書はこんな出だしから始まるおとぎ話だ。このイタチたちは働くのがいやになったので、自分たちの代わりに働いてくれるロボットを作ろうとする。こちらの言うことが何でもわかってくれて、何でもできるロボット。つまり、現在の技術で人間たちが作ろうとしている「言葉がわかる」人工知能だ。

 本書はおとぎ話の体裁をとった「言葉を理解する機械のしくみ」の技術を解説する本、もしくは技術をテーマにしたおとぎ話、と言えるだろう。そう聞くと、「とっつきやすい形式で易しく説明するが、今ひとつ満足感が得られない」解説書、啓蒙(けいもう)書の類かと思ってしまうかもしれない。しかし、その心配は無用だ。まず、おとぎ話としての完成度が高い。そのお話の筋に沿って「言葉がわかる」ことの意味を丁寧に深掘りしてい…

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