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武田 砂鉄・評『芸能人と文学賞』川口則弘・著

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「外の人」の受賞に社会はどう反応したか

◆『芸能人と文学賞』川口則弘・著(KKベストセラーズ/税別1450円)

 ピース・又吉直樹が芥川賞を受賞した後、先輩芸人の多くが彼を「先生!」と呼ぶことで困惑させる場面を何度も見かけた。あの感じは、世間の文学賞のイメージを代弁してはいたのだろう。受賞を報じた「報道ステーション」で古舘伊知郎が「芥川賞と本屋大賞の区分けがなくなってきた気がする」と的外れなことを述べたが、そもそも文学については「的」が用意されず、雑に一緒くたにされてきた。

 小説を書いた芸能人と文学賞との関係を隅々まで洗い出した本書が重視するのは、小説の中身よりも「芸能人小説に対する社会の反応」。昨年、モデル・押切もえの小説が山本周五郎賞にノミネートされると、その回で受賞した湊かなえが「文芸の外の人が2作目なのに上手に書けているという、イロモノ扱いのままで審査された作品と僅差だった」とエッセーで皮肉った。

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