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地理的表示

保護制度 日欧EPAでパルメザン消える?

森永乳業が販売する「クラフト100%パルメザンチーズ」

酒類や農産品210品目 農水省など慎重に準備

 7月に大枠合意した日本と欧州連合(EU)との経済連携協定(EPA)によって、日本でおなじみの「パルメザンチーズ」の商品名が使えなくなるかもしれない。地域に根ざしたブランドを守る地理的表示(GI)保護制度が適用されるためだ。欧州が保護を求めているのは酒類や農産品など計210品目。登録の可否を決める農林水産省と国税庁は、慎重に準備を進めている。

     210品目のうち、農産品は71品目。このうち影響がありそうなのはチーズだ。EUはイタリアを代表する熟成チーズ「パルミジャーノ・レッジャーノ」の保護を求めている。

     英語名は「パルメザンチーズ」。国内では米国産原料を使った粉チーズとして広く浸透。森永乳業は緑色の円筒形容器でおなじみの米国産粉チーズ「クラフト100%パルメザンチーズ」を販売している。

     GIでは翻訳された言葉も使用できなくなるため、仮にGI登録されると名称変更などを迫られる。同社は「農水省などの検討の推移を見守り、今後の対応を考える」としている。主要チーズ製造者・生産者らで組織するチーズ公正取引協議会は「一般的に流通した商品名がGI登録されて使えなくなると、消費者が混乱する恐れがある」として、引き続き国内でも使用できるよう求めている。

     フランスの「カマンベール・ド・ノルマンディ」やオランダの「ゴーダ・ホラント」も欧州が保護を求めている。ただ「カマンベール」や「ゴーダ」は国際的に一般化している名称。この場合はGI登録しても使えるため、国内でカマンベールやゴーダを作っている生産者は、そのまま使用できそうだ。

     ビールやワインなど酒類は139品目の保護を求めている。ドイツビール「ミュンヘナー・ビア」も含まれ、国内では使用できなくなる見通しだ。ドイツ風ビール「ミュンヒナー・ダーク」を製造する石川酒造(東京都福生市)は「今後名称の入ったラベルの変更を検討する」としている。

     ワインではフランスの「シャンパーニュ」などの保護を求めているが、1980年代に業界団体「日本ワイナリー協会」が「シャンパーニュ」の名称使用を禁止する自主基準を定めており、協会は「国産でシャンパーニュやシャンパンと名前をつけているワインは聞かない」としている。

     農水省と国税庁は関係者などからの意見を10月上旬まで受け付け、その後、最終的に登録の可否を決める。欧州でも日本が保護を希望する39品目について、同様の手続きが行われる。【工藤昭久、片平知宏】

    ことば【地理的表示(GI)保護制度】

     地域に根付いた産品の名称を知的財産として登録し、保護する制度。GI(Geographical Indication)。国が地域ブランドとして登録することで、生産者の利益を守る狙いがある。消費者が本来の産地を誤認する恐れのあるような表示は禁止される。国内の農林水産品は現在、「神戸ビーフ」や「夕張メロン」など39品目が登録されている。

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