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平安和歌刻んだ土器 10世紀、平仮名で

和歌が刻まれた出土した土器=山梨県甲州市で2017年8月25日、松本光樹撮影

 山梨県甲州市教委は25日、同市塩山にある奈良・平安時代の集落跡「ケカチ遺跡」から、平仮名で和歌が刻まれた土器を発見したと発表した。平安中期の10世紀中ごろに制作されたとみられ、この時代の和歌一首が記された土器の出土は初めて。平仮名の統一は9世紀末ごろからとされており、文字の変遷を考察する上で貴重な歴史的資料になるという。

 市教委によると、土器は直径約12センチ、高さ2.6センチ。5行にわたって31字の平仮名が刻まれており、一部が欠けていたものの、歌のほぼ全文が判読できる状態だった。

 和歌は既存の文献には載っていない作品で、作者は不明だが、山梨県立博物館の平川南館長は「恋歌のようにも見えるが、都からきた国守が別れの席で在地の有力者に配ったものではないか」と推測している。

 平川館長によると、平仮名は漢字を崩した7世紀の「万葉仮名」が始まりで、その後、約200年間、変遷を重ねた。平仮名の確立期の資料としては、「土佐日記」(935年)などが知られるが、同じ10世紀に書かれた直筆の平仮名資料の発見は、珍しいという。

 土器は昨年5月、市道建設に伴う発掘調査で見つかった。市は今後、山梨県や文化庁に重要文化財として指定するよう促すという。【松本光樹】

土器に刻まれた和歌◇

 われによりおも

 ひく●らむしけい

 とのあはすや■

 なはふくる

 はかりそ

 ※●は「る」あるいは「く」、■は一部が欠損しているが「み」と推定される

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