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もう一度食べたい

薬水の梨 シャキシャキ、特別「廿世紀」

樹齢100年を超す廿世紀梨の下で「昔の品種は強い」と話す中元さん(左)と阪口さん

 「子どもの頃に食べた“薬水の梨”。あの梨をもう一度食べたい」。便箋につづられた思い出の味。薬水の2文字には「くすりみず」のルビが振られていた。この梨は品種ではなく、恐らく地名であろう。どこの、どんな梨なのか。取材を始めると、私の住む千葉県と意外な関係が--。

 手紙の差出人は兵庫県明石市の主婦、奥敦子さん(50)。電話すると「ふる里は奈良県の桜井市。小学生の頃、運動会には必ずお重に詰めた薬水の梨を持って祖母が応援に来てくれた。それがみずみずしくて、おいしくて。そんな味が今も忘れられない」。町の果物屋さんに聞いても「薬水の梨? 知らない」と首を振られたという。

 だが、奥さんのふる里に何かの手がかりがありそうな気がする。周辺市町村にまで広げて「薬水」の地名を探すと、桜井市の約15キロ南の大淀町にその名があった。役場に取材すると「薬水と隣接する佐名伝(さなて)地区を含め『大阿太(おおあだ)高原梨』のブランドで今も作っている。樹齢100年余の梨の古木もある」と教えてくれた。早速、大淀町果樹組合に電話し、台風5号の通過を待って大阿太高原を訪ねた。

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