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私の出発点

町田康さん『くっすん大黒』 斬新さを出したかった

 もう三日も飲んでいないのであって、実になんというかやれんよ。ホント。酒を飲ましやがらぬのだもの。ホイスキーやら焼酎やらでいいのだが。あきまへんの? あきまへんの? ほんまに? 一杯だけ。あきまへんの? ええわい。飲ましていらんわい。飲ますな。飲ますなよ。そのかわり、ええか、おれは一生……(『くっすん大黒』文春文庫より)

 自分勝手だったり無気力だったり、あるいはエキセントリックに暴走を繰り返したり。行き当たりばったりの人間の茶番を、河内音頭や落語、漫才といった口承芸能ばりの文体で描く。抱腹絶倒の語りは、しかし、倫理や規範のありかを強烈に照らし出す。そんな作家である。ミュージシャンとして出発した後、1996年に小説デビューを果たしたのが『くっすん大黒』だ。主人公の歩き方は、「よちよち」と描写される。

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