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学校資料

「宝の山」消失危機 専門家が研究会

図書室の片隅に無造作に積み上げられた資料の一部=林由紀子撮影

 全国各地の学校が所蔵する昔の教科書や土器などの考古資料、地域住民が寄贈した農具などが、統廃合や災害を機に廃棄、散逸の危機に直面している。こうした学校資料には文化財的価値を有したものや地域史を語る上で重要な“お宝”が含まれている。今春、関西を中心に活動する考古学や教育史、博物館学などの専門家が初めて分野の枠を超えて研究会を結成。保存・活用の対策に乗り出した。【林由紀子】

 「学校資料研究会」で、メンバーは博物館学芸員や大学教授、図書館職員など16人。佛教大大学院生の一色範子さん(35)が代表となって呼び掛け、4月末に発足した。月1回、非公開の勉強会を開催。2年後の刊行を目標に、専門知識のない教員でも学校資料を授業で活用することを目指したハンドブックの作製などに取り組む。

 専門家の間で学校資料への注目度が高まったのは、2011年の東日本大震災や紀伊半島豪雨災害で貴重な資料が大量に流失、廃棄されたことがきっかけ。少子化の影響で毎年約500の公立学校が閉校する中、多くの資料が統合先や博物館に引き継がれず処分されているという。

 しかし、和歌山県立紀伊風土記の丘(和歌山市)が昨年実施した調査では、江戸時代に写された真田家や織田家の家系図が小学校から見つかった他、現在はワシントン条約で商業取引が禁止されているオランウータンの剥製を所蔵する学校も。昔の教員が採集・作製したホルマリン漬けや標本には、今は見ることができなくなった魚や昆虫も保存されていた。

 空き教室に資料を展示し、授業で活用している学校もあるが、時間の経過や教員の異動で「開かずの部屋」となっている学校も多い。専門知識のない教員には資料の価値が理解されにくく、統廃合や耐震工事が処分の契機になりやすいという。

 研究会幹事で京都文化博物館の村野正景学芸員は「学校資料はそこで学んだ人々の生きた証しであり、地域そのものの記憶をとどめている。学校で使われてこそ意味があり、活用の道案内ができれば」と話す。

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