連載

田中優子の江戸から見ると

法政大総長・田中優子さんのコラム。江戸から見る「東京」を、ものや人、風景から語ります。

連載一覧

田中優子の江戸から見ると

高齢者の心得

  • ブックマーク
  • メール
  • 印刷

 高齢者だから言えることがある。2017年度当初予算の社会保障費の割合は約33%。その8割がたは年金、医療、介護に使われる。つまり高齢者がかなりの国費を使っているのだ。若者の教育費と科学振興費はたった5・5%だ。

 経済産業省の次官と若手が今年5月に「不安な個人、立ちすくむ国家-モデル無き時代をどう前向きに生き抜くか」という提言を出した。世界で初めて極端な少子高齢化に突入する日本では、国家予算の配分があまりに偏り、彼らは未来に危機感を抱いている。

 この提言は価値観と発想の転換を促している。高齢者の状況はさまざまだが、年齢で一律に高齢者=弱者として扱い、際限なく医療、介護、年金等に富をつぎ込んでいる。一方でひとり親家庭の貧困率は50%を超え、経済協力開発機構(OECD)諸国のなかで最悪だ。この環境にある子供たちは高等教育を受けられない可能性がある。

この記事は有料記事です。

残り397文字(全文774文字)

あわせて読みたい

この記事の特集・連載
すべて見る

注目の特集