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大阪発祥「無名職人による庶民芸術」 鮮やかに息づく堺の「注染」

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乾燥中のさらし木綿の前で注染について語る小松隆雄さん=大阪府堺市中区の協和染晒工場で、高尾具成撮影
乾燥中のさらし木綿の前で注染について語る小松隆雄さん=大阪府堺市中区の協和染晒工場で、高尾具成撮影

 鮮やかなさらし木綿が風に翻り、ほんのりと染料の香りを運んでくる。手拭いや浴衣などに用いられる大阪発祥の染色技法「注染(ちゅうせん)」で彩られた逸品だ。全国でも数少なくなった注染を今に伝える堺市の現場を訪ねた。【高尾具成】

手拭いも伝統工芸に

 堺は大消費地の大阪と木綿の生産地だった泉州との中間に位置し、水資源が豊かな石津川があったことから、戦後、晒(さらし)や染色が盛んになった。石津川沿いにある堺市中区の毛穴地区は、最盛期には50軒以上の「染屋」が密集していた。現在は数軒となったが、全国から注文が相次ぐ。

 1952年創業の協和染晒(そめさらし)工場前には、さらし木綿が揺れていた。工場内に入ると、汗を浮かべ一心に作業をする70~30歳代の職人の姿があった。「無名職人による庶民芸術」と聞いていたが、繊細な手さばきと気迫のこもった力仕事に圧倒される。ここで染められた手拭いや浴衣は全国の百貨店などに並ぶ。

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