故ダイアナ元妃

没後20年 ダイアナ流、共感今も 識者の話

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失敗に学んだ王室 長谷川貴彦氏 北海道大教授(イギリス近現代史)

 英国の1960、70年代はロックやパンクなどの文化に見られるように王室などの権威に批判的な時代だった。王室はこれに対抗し、81年のチャールズ皇太子とダイアナ元妃の結婚を伝統的な家庭を復権するシンボルとして描き、国民の愛国心を育てる好機に利用しようとした。この意図は失敗したがダイアナ元妃は国民には今でも人気があるという逆説的な存在だ。

 人気を得た理由は、王室への率直な物言いに見る庶民性と、地雷除去などの人道的な活動が、近代的で開かれた王室の象徴として受け入れられたからだ。その死に花を手向けた群衆の中には黒人やアジア系や性的マイノリティーもたくさんいて、ダイアナ元妃は多文化主義という時代の精神を具現化した存在とも捉えられていた。

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