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社説

きょう防災の日 減災にこそ知恵と資金を

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 きょうは関東大震災から94年の防災の日だ。

     国土の変化に富む日本は多くの災害に見舞われてきた。災害による被害をゼロにはできないが、減らすことは可能だ。

     南海トラフの巨大地震は津波などで最大32万3000人の人的被害が出ると想定されている。いかに早く、高い場所に避難できるかがかぎだ。避難タワーの建設などだけでなく、既存のビルを活用した避難場所の確保が各地で進められている。

     首都直下地震では、木造住宅密集地での家屋の倒壊や火災の拡大が最大の懸念材料だ。助成など住宅の耐震化を促す試みが行われている。

     いずれも近い将来の発生が懸念されている。知恵を絞り、さらに必要な予算を迅速に投入することで減災につなげるしかない。

     先ごろ公表された南海トラフ巨大地震に向けた報告書案も、地道な対策の必要性を指摘した。中央防災会議の有識者会議がまとめたものだ。

     報告書案は「確度の高い地震の予測は困難」として、予知を前提とした対策を改めることを求めた。

     東海地震の予知を前提とした大規模地震対策特別措置法(大震法)が制定された1978年当時は、観測強化で前兆現象をとらえられるとの考え方が強かった。だが、研究が進み予知の困難さがはっきりし、東日本大震災の経験も予測の難しさを裏付けた。大震法の見直しは当然だ。

     注目されるのは、報告書案が事前避難の考え方を示した点だ。

     前震を観測した時など大地震の発生が懸念される場合、事前の避難を呼びかけるという。地震発生直後の迅速な避難が難しい高齢者ら災害弱者を念頭に置いている。

     だが、避難を呼びかける判断は難しく、混乱も予想される。避難期間をどう決めるのかなど課題山積だ。政府は自治体などの意見を聞き、対策の有用性を見極めるべきだ。

     近年、水害への備えが一段と重要になっている。今年も九州北部地方が短時間集中豪雨に見舞われ、大きな犠牲を出した。災害弱者を含め、多くの命をどう災害から守るか。

     行政による「公助」だけでは不十分だ。地域社会が連帯する「共助」、さらには、一人一人の取り組みである「自助」が大切になる。

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