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連載小説 ストロベリーライフ

/51 大切なものはすぐそこにある 作・荻原浩 画、佃二葉

=画、佃二葉

「あなたと越えたい~」

 作業開始から二時間半。母親の歌がようやく新曲に変わった。

「天城(あまぎ)いぃぃ~越ぉぉぇえ~」

 見てらんにゃあ、と親父(おやじ)は家に引きあげた。剛子(たかこ)ネエが自分で肩を揉(も)みながら訊(き)いてくる。

「そろそろ休憩するかい」

 本人が休みたいというより、嫌々ながらという言葉の見本みたいにたらたら台車をころがしている大輝(だいき)を休ませたいのだと思う。農業が嫌いにならないように。

「ああ、いいよ。休んで。俺はもう少し続けるから」

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