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ボランティア

避難の子「第2の家」 大学生が学習室

東京電力福島第1原発事故や熊本地震後に避難した子どもに勉強を教える大学生たち=神奈川県鎌倉市の建長寺で2017年8月26日午後2時36分、宇多川はるか撮影

悩み支えて1000回 横浜・川崎

 東日本大震災や熊本地震で避難した子どもたちを対象に、ボランティアの大学生たちが震災後から横浜、川崎両市で続けてきた学習室がある。通った子どもは6年半で福島県を中心に100人を超え、関わった大学生は約240人。開催数は1000回に迫ろうとしている。いじめや不登校などの悩みを抱える子どもも訪れ、勉強の場であると同時に、慣れない首都圏に避難してきた子どもたちの居場所となってきた。【宇多川はるか】

     「nの2乗は……」「この単語は……」。8月下旬、神奈川県鎌倉市の建長寺で開かれた学習室の夏の合宿。会場の大広間には、ほぼマンツーマンで勉強を教える大学生たちの声が響いた。

     参加したのは、同県内で避難生活を送る小学3年から高校3年までの子どもたち19人と、大学生ら先生役の14人。夕食や風呂の時間にワイワイ騒ぎつつ、熱心な指導は深夜まで続いた。

     学習室は、こうした合宿のようなイベントのほか、横浜、川崎でそれぞれ週2回勉強会を開いている。子ども2人に大学生1人がつき、毎回2時間、無料で教える。両教室合わせ、各回平均約20人の小中高生が通う。震災で経済的に予備校などに通えない子どもたちの学習、進学をサポートする。

     始まりは2011年4月にさかのぼる。当時川崎市の職員だった香川大地域連携戦略室特命准教授の鈴木健大さん(48)が、避難所になっていた「川崎市とどろきアリーナ」の一角で、大学生たちと学習室を始めたことがきっかけだ。神奈川にとどまる避難者が多かったことから、鈴木さんらは活動を継続。同年8月に川崎に「とどろき学習室」、12年5月に横浜に「よこはま学習室」を開設した。

     福島から神奈川へ避難し、学習室に通う高校3年の石原優弥さん(17)は「理系の大学進学を目指し通い続け、とても落ち着ける場所。第2の家のよう」と話す。鈴木さんによると、これまで通った子どもたちの中には、経済的困窮に加え、いじめや不登校などに悩むケースもあった。

     学習室は、支える大学生たちの居場所にもなっている。大学3年の竹原実花さん(21)=川崎市=は、心を開いてくれた子どもたちと関わりながら、「学習室は生きがい」と思うようになった。大学3年の中山香月さん(20)=横浜市=は、困難を抱える子どもたちと向き合ううちに、「過去にいじめを受けた自分とも向き合えるようになり、視野が広がっている」と話す。卒業後の進路は模索中だが、「学習室で関わった子どもたちに胸を張れる仕事を」と語る。

     学習室代表として大学生たちの活動を見守る鈴木さんは「震災から時間がたっても、困ったら頼れる場が常にあることが大事。前を向いて自力で歩いてもらうための居場所作りを、大学生たちと続けていきたい」と話している。

     学習室への寄付や参加の問い合わせは鈴木さん(shonancafe134@gmail.com)。

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