メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

連載小説 ストロベリーライフ

/55 皮算用あるいは大いなる戦略 作・荻原浩 画、佃二葉

=画、佃二葉

 ぷうぅぅぅん。

 第一ハウスに入ると、クロマルハナバチが、蜜蜂よりたくましいF1マシンみたいな羽音を立てて顔の前を横切っていった。

 第二ハウス同様、こちらも高畝(うね)に繁る緑葉の下にちらほらと、赤く染まりかけた実が顔を見せはじめたばかりだ。土耕で紅ほっぺだけを栽培しているここの苺(いちご)は、基本的に親父(おやじ)のやり方を踏襲して育てあげた。

 マル秘ノートのメモ書きと数値が頼りだった五月までの前シーズンと違って、今回はノートの筆者がすぐそば…

この記事は有料記事です。

残り2974文字(全文3199文字)

ご登録日から1カ月間は100円

いますぐ登録して続きを読む

または

登録済みの方はこちら

荻原浩

さいたま市出身。成城大卒。1997年「オロロ畑でつかまえて」で小説すばる新人賞を受賞してデビュー。「海の見える理髪店」で第155回直木賞受賞。東京都在住。

おすすめ記事
広告
毎日新聞のアカウント
ピックアップ
話題の記事

アクセスランキング

毎時01分更新

  1. 「嫌韓」あおるテレビよ、これでいいのか クレーム来ないからやりたい放題?

  2. 「救急車もう限界」 適正利用呼びかけ 「酒飲んで運転できない」で通報も 福岡・飯塚地区消防本部

  3. ORICON NEWS “エヴァ芸人”桜 稲垣早希、妊娠を報告「食べつわりでした」

  4. ラグビーW杯、なぜ「旭日旗」騒動ないの?五輪では日韓対立

  5. 「帽子なくして注意したら『本当の父親じゃない』に激高」供述 さいたま小4遺棄

編集部のオススメ記事

のマークについて

今週のおすすめ
毎日新聞社は、東京2020大会のオフィシャルパートナーです