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連載小説 ストロベリーライフ

/58止 『君と一緒なら僕は強くなれる』 作・荻原浩 画、佃二葉

=画、佃二葉

「離れ離れで暮らそう」

 美月(みづき)が来たら、恵介(けいすけ)はそう言うつもりだった。そして、

「でも、家族でいてくれ」と。

 東京生まれで、パーツモデルの仕事を再開した美月に、静岡に住んでくれとは言えない。だから、農園が軌道に乗ったら、静岡と東京の中間あたりに家を建てようと恵介は考えている。それまでは単身赴任だと思って、いまの自分が為(な)そうとしていることを認めて欲しい、そう伝えようと決めていた。

 美月と出逢(であ)ったのは、時計メーカーの企業広告の撮影スタジオだ。入社五年目の恵介が初めて任された仕事だった。ひと目惚(ぼ)れした。デザイナーとして、その手と指の美しさに。

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荻原浩

さいたま市出身。成城大卒。1997年「オロロ畑でつかまえて」で小説すばる新人賞を受賞してデビュー。「海の見える理髪店」で第155回直木賞受賞。東京都在住。

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