メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

独身税 見出し独り歩き? ネットで炎上

「ママ課」の意見交換会を報じた北国新聞の紙面

 石川県かほく市が「独身税」を提案? 地元紙の報道をきっかけに、こんな情報がネット上を駆け巡り、「なぜ市が独身者の負担を増やすのか」「低収入ゆえ結婚できない時代なのに」「ママの横暴」などと抗議や問い合わせが市に殺到している。実際には市役所内での意見交換会で、一市民が「独身税」という言葉は使わずに個人的な思いを述べただけだった。なぜ“炎上”したのか。【小国綾子】

 発端は、北国新聞8月30日朝刊の記事だった。子育て中の主婦らの声をまちづくりに生かす市のプロジェクト「ママ課」のメンバーと財務省主計官の意見交換会が29日に市役所であり、メンバーの一人が「結婚し子を育てると生活水準が下がる。独身者に負担をお願いできないか」と質問し、主計官が「独身税の議論はあるが、進んでいない」と述べた--と報じた。

 「ママ課」は市の正式の課ではないし、記事も「提案」ではなく「質問」とする。だが、記事の見出しは<ママ課「独身税」提案>だった。ネット版は<かほく市ママ課「独身税」提案>で、こちらがツイッターなどで拡散された。

 議論はたちまちヒートアップ。ツイッターでは「生活水準下げたくないなら子をつくるな」「結婚できた人たちが結婚できない人たちを搾取する」「配偶者控除ってある意味独身税ですが」。市にも「社会を分断する」など数百件の抗議が電話やメールで殺到した。

 市は9月1日、市や「ママ課」は「独身税」を提案していない、という趣旨の短い声明文を公式ホームページなどに掲載したが騒ぎは大きくなり、夜になって一転、削除。当初はネットメディアなどの取材に応じていたが、今は「取材には答えない」とし、5日夜、改めて詳しい経緯説明を含む声明文を公式ホームページに掲載し直した。

 一方、北国新聞は2日朝刊で「独身税」を提案したわけではないとの市の説明を記事にした。最初の記事について「市が提案」と誤読されかねない見出しではなかったか、との毎日新聞の質問に対し、同紙は取材に応じないとしている。

 ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)に詳しいジャーナリストの津田大介さんは「米国の調査で、記事リンクをSNSでシェアする人の6割は中身を読んでいない、と分かっているように、見出しが独り歩きした典型事例だ」と見る。「週刊誌の中づり広告を話題にする前に記事内容を確認する人が少ないのと同じだが、SNS時代にはリツイートで何千人、何万人に影響する。今回は市や新聞がネット炎上に慣れていなかった」と分析。メディアは見出しが独り歩きするリスクを考えるべきだと強調する。

毎日新聞のアカウント

話題の記事

アクセスランキング

毎時01分更新

  1. コンビニ ファミマが弁当「忖度御膳」 その忖度とは
  2. 大阪 「子供4人産み、家に遺体」中年女性が交番訪れ申告
  3. 特集ワイド 貧困が奪う、子どもの学び 安倍政権5年目の今、考えたい 無償化に改憲必要ない
  4. ボクシング 南海キャンディーズのしずちゃん弟がプロ合格
  5. パンダ 生後160日のシャンシャン 体重10キロ超える

編集部のオススメ記事

のマークについて

毎日新聞社は、東京2020大会のオフィシャルパートナーです

[PR]