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京都・読書之森

ブータン 国民の幸せをめざす王国 /京都

 <活字を楽しむ>

 (熊谷誠慈・編/著 創元社、1800円(税抜き))

 ヒマラヤの王国・ブータンといえば「幸福の国」のイメージが強い。しかし人口14億人の中国と、12億人のインドという大国に挟まれた70万人の小国が独立を維持していく苦労は誰もが想像できるだろう。最近でも3国国境が接する地域に中国軍が一方的に軍用道路の建設を始めたのをきっかけに、インドが国境付近に軍を展開、1960年代の中印紛争以来とされる緊張が走った。リアルなブータンは私たちがイメージしがちな「おとぎの国」では決してない。それでも「国民総幸福(GNH)」を掲げて国づくりを進める姿から学ぶべきことも多い。その実像を知るには打って付けの本である。

 たとえばブータンが政治的に難しいかじ取りを迫られた例として、チベット人亡命者、ネパール難民、アッサム独立派ゲリラの問題など、日本ではほとんど知られていないテーマも同書は取り上げる。

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