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戦術核再配備論高まる 対北朝鮮「力の均衡」

戦術核再配備を求める声が韓国内で高まる中、記者会見で再配備検討などを否定する韓国の康京和外相=ソウル市内で2017年9月11日午後2時5分、大貫智子撮影

 【ソウル大貫智子】今月3日の北朝鮮による6回目の核実験後、韓国で1990年代に撤去された米軍の戦術核再配備を求める声が高まっている。北朝鮮の核・ミサイル能力の急速な向上を受け、南北間の「力の均衡」が必要との考えが広がっているためだ。文在寅(ムン・ジェイン)政権は政府レベルでは検討していないと繰り返し表明しているが、政府・与党内では検討を示唆する言動も見られ、再配備を求める野党側は攻勢を強めている。

     発端は宋永武(ソン・ヨンム)国防相が今月4日、国会で戦術核再配備について「十分検討する用意がある」と踏み込んだことだ。韓国政府関係者は、宋氏が8月30日、ワシントンでのマティス米国防長官との会談で、戦術核再配備について議論したとは明らかにしていたが、「野党やメディアの雰囲気を伝えたに過ぎない」との説明にとどめていたため、4日の言及内容は波紋を広げた。これまで戦術核再配備を否定していた与党「共に民主党」内からも再配備を検討すべきだとの意見が出始めている。

     これに対し政府は火消しに躍起だ。11日、外国メディアと初めて記者会見した康京和(カン・ギョンファ)外相は「政府レベルで検討していないし、米国とも議論していない」と全面的に否定。91年に南北間で非核化で合意していることや、核拡散防止条約(NPT)加盟国としての立場を強調した。青瓦台(大統領府)関係者も11日、「政府の既存の立場に変化はない」と改めて述べた。

     ただ、韓国ギャラップ社の8日発表の世論調査で、「核保有すべきだ」との考えに賛成が60%で、北朝鮮が5回目の核実験を行った昨年9月より2ポイント増加。革新系政治学者からも「今回の核実験の爆発の規模に驚いている韓国人は多い。南北間の軍事的非対称に対する不安を解消すべきだ」との声が出ている。

     こうした中、戦術核再配備を求めてきた最大野党・自由韓国党は11日、インターネット上で再配備を求める署名運動を始めた。来年6月の統一地方選に向けて政府の「無能ぶり」を強調し、1000万人を目標に署名を集める方針だ。

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