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歌舞伎

秀山祭九月大歌舞伎 見応えのある10回目=評・小玉祥子

 見応えのある10回目の秀山祭。

 主軸となる吉右衛門の主演は、昼が最後の「幡随長兵衛(ばんずいちょうべえ)」。吉右衛門の長兵衛が「村山座」で白柄組の旗本を抑える胆力を示し、「長兵衛内」で頭領としての大きさ、「水野邸」では悲愴(ひそう)美を見せる。魁春のお時が夫を気遣う切なさを出し、染五郎の水野が怜悧(れいり)、又五郎が公平と出尻を演じ分けた。

 同じく夜が序幕の「逆櫓(さかろ)」。松右衛門には船頭らしい闊達(かったつ)さがあり、「頭が高い」で樋口次郎の正体を現した途端に姿が大きくなったように見えるのは芸の力。最後の樋口の名乗りは朗々とし、周囲を圧する存在感を見せる。歌六が権四郎で一本気な好人物ぶりを見せ、東蔵のおよしが父と夫を気遣う様を表現。雀右衛門のお筆、左團次の重忠と周囲もそろう。

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