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「脱ガソリン」 「新エネルギー車」へ加速

今年4月の上海自動車ショーで展示された中国メーカー、比亜迪(BYD)の電気自動車=赤間清広撮影

 【北京・赤間清広】中国が電気自動車(EV)を中心とする「新エネルギー車」へのシフトを加速している。自動車各社に一定の新エネ車生産を義務付ける新たな環境規制を導入する方針を固めているほか、ガソリン車の生産・販売禁止の検討を始めたことも明らかになった。世界最大の自動車市場である中国の「脱ガソリン車」の動きは、各国の自動車メーカーの戦略に影響を及ぼしそうだ。

     「自動車産業に大きな変化をもたらすことになるだろう」。今月9日、天津で開かれた自動車関連の国際会議に参加した中国政府関係者らは口々に、自動車政策の軸足を新エネ車普及に置く考えを強調した。英国やフランスはすでに、2040年までにガソリン車やディーゼル車の生産・販売を禁止する方針を表明している。中国工業情報省の辛国斌(しん・こくひん)次官は「われわれも研究に着手した。中国のスケジュールを定めたい」と、禁止の時期について検討することを明言した。

     中国の16年の新車販売台数は約2800万台と、2位の米国(約1755万台)を大きく上回る。しかし、市場の拡大は深刻な大気汚染という副作用も生んだ。高まる国民の不満を解消するためにも、ガソリン車から新エネ車への転換は中国政府にとって喫緊の課題となっている。

     中国国営新華社通信によると、16年の国内の新エネ車販売台数は50万台超。世界の新エネ車市場の50%を占めるが、巨大な中国の自動車市場全体から見れば新エネ車の普及率はいまだ2%に満たないのが実情だ。

     政府は補助金を出して新エネ車への買い替えを促してはいるが、市場の中心は依然としてガソリン車やディーゼル車など化石燃料をエネルギー源とした従来型の車が占める。この状況を打開する切り札として注目を集めているのが、新しい環境規制案だ。

     規制案は、各自動車メーカーの生産、販売規模に応じて一定比率の新エネ車生産を義務付けるのが柱。月内にも詳細が発表される見通しで、18年にも導入される可能性がある。自動車各社は一定量の新エネ車を生産しなければ、中国でのシェア拡大が難しくなる。更に今回、ガソリン車やディーゼル車の生産・販売を将来的に禁止する検討に着手したことで、中国市場の主戦場がガソリン車から新エネ車に移行していくことがより明確になった。

    対応を急ぐ日系メーカー各社

     世界各国でガソリン・ディーゼル車からの脱却とともに、EVやプラグインハイブリッド車(PHV)などの電動車両への転換の動きが広がっていることを受けて、日系メーカー各社は対応を急いでいる。

     EVで先行する日産自動車は今年8月、提携する仏ルノーとともに中国の自動車大手「東風汽車集団」とEVの共同開発会社を設立し、2019年に生産を始めると発表。中国では14年から小型車「リーフ」をベースとしたEVを販売しているが、新型車の投入でテコ入れを図る構えだ。

     ホンダも18年に中国でEVの発売を予定している。今月11日には、電池の制御システムを中国のIT大手「東軟集団(ニューソフト)」と共同開発すると発表した。トヨタ自動車は、19年にも中国でスポーツタイプ多目的車(SUV)をベースとするEVの量産を始める方向で検討している。

     40年までのガソリン車やディーゼル車の販売禁止へかじを切った英仏と、禁止の検討に着手した中国の新車販売台数の合計は世界全体の3割超に上り、「EV対応の遅れは将来的なシェア低下につながりかねない」(国内の自動車大手幹部)。日本のエコカー市場でトヨタやホンダの主力となるハイブリッド車(HV)は、中国が普及促進を目指す新エネルギー車には分類されないなど、戦略の見直しを迫られている。【和田憲二】

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