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死亡の女児、食べたのは炒め物 2次汚染か

 群馬、埼玉両県の同じ系列の総菜店で購入したポテトサラダなどを食べた客が病原性大腸菌O157に感染した問題で、前橋市保健所は13日、前橋市六供(ろっく)町の「でりしゃす六供店」で新たに感染者2人が確認され、うち東京都の女児(3)が死亡したと発表した。一連の問題で死者は初めて。女児が食べたのは炒め物などの加熱食品だったことから、市保健所は「2次汚染の可能性が強い」とみている。

     六供店での感染者は11人、両県での感染者は計22人となった。

     市保健所などによると、女児は家族らと前橋市を訪れ、8月11日に同店で購入した総菜を食べた。その後、腎機能障害などを起こす溶血性尿毒症症候群(HUS)を発症し、9月8日に入院先の都内の病院で亡くなった。

     一緒に総菜を食べた女児や家族ら11人のうち前橋市の60代の女性も感染が確認された。2人が共通して食べたのは、エビの炒め物▽タケノコの炒め物▽きんぴら▽天ぷら--の4品。ポテトサラダは食べていなかった。

     このため前橋市保健所は「加熱調理後に店舗内で2次汚染した可能性が強い」としている。同店は客が自ら大皿に盛られた総菜を取り分けていたため、トングの使い回しなどによって菌が付着した可能性があるという。

     六供店では、食品ごとに分ける決まりだったトングが交ざっていても放置▽まな板や包丁を食材ごとに使い分けていなかった--など衛生管理上の問題があったとして、市保健所が先月、改善を指導していた。これまでの調査で調理場などからO157は検出されていない。

     市保健所は9月5日に東京都から情報提供を受け、調査を開始。この2人の菌の遺伝子型が、これまで確認された両県や関西などでの感染者の型と一致したという。

     この食中毒問題を巡っては、「フレッシュコーポレーション」(群馬県太田市)が運営する「でりしゃす」系列の埼玉、群馬両県内の4店で8月にポテトサラダや別のサラダを買って食べた20人がO157に感染。埼玉県は、県内の感染者10人が共通して食べた唯一の食材がポテトサラダだったため、感染源をポテトサラダと断定している。

     同社は「亡くなられた方のご冥福を心よりお祈りします。安全対策の強化はもちろんのこと、食材供給元などにもさかのぼって衛生管理の確認の厳格化を行います」とのコメントを出した。

     同社は8月24日から全系列店で自主休業していたが、9月7日に営業を再開。しかし、六供店は13日から再び休業した。【山本有紀、鈴木敦子】

    感染拡大、発生源別ルート 厚労省が推定

     群馬、埼玉両県の総菜店で購入したポテトサラダなどを食べた客が病原性大腸菌O157に感染し死亡例も確認された問題で、客と同じ遺伝子型のO157が11都県の患者から見つかったことなどから、厚生労働省は汚染源は別にあり、総菜店の客らは2次汚染などによって感染したとみて調査を進めている。

     O157の遺伝子型が一致した場合、同一の汚染源があると想定される。

     厚労省が総菜店から広がった感染ルートを直接の汚染源ではないと判断しているのは、全国的に感染が拡大しているからだ。ポテトサラダを製造した食品会社の納入先は群馬県や埼玉県などに限定されており、総菜店を通じて患者のいる関西や四国まで感染が広がったとは考えにくい。

     さらに総菜店の客らは8月上旬に食品を購入して感染しているが、同一の遺伝子型は7月下旬から関東で感染が広がり始めたことが判明しているという。

     厚労省は、総菜店で販売したポテトサラダなどに既に汚染された食材が混入したか、販売までの間に人の手などを介して菌が混入し感染につながったと推定。これほど広域的で感染者が多いのは異例として、今月1日に全国の自治体に対し、患者から旅行の有無などの行動まで聞き取り調査するよう要請した。

     汚染源の食材が広域的に流通し、感染が全国に広がった可能性もある。しかし、発症から時間が経過しているため、流通経路の確認が難しいケースが多いという。

     食中毒や感染症など公衆衛生に詳しい川崎市健康安全研究所の岡部信彦所長は「広域で流通する食材を通じ感染が広がっているとすれば脅威だ。原因を徹底的に調査すべきだ。食品を提供する側や消費者は、肉はよく火を通す、野菜も洗うなど初歩的な注意点を見直してほしい」と話している。【桐野耕一、熊谷豪】

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