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無償除外は適法 「政治的理由」否定 東京地裁

東京朝鮮高級学校訴訟の判決後、「不当判決」などと伝える原告側弁護士ら=東京都千代田区の東京地裁前で2017年9月13日午後2時14分、丸山博撮影
朝鮮学校を高校無償化の対象外とした不指定処分を巡る各地の訴訟

 朝鮮学校を高校無償化の対象に指定しなかったのは違法として、東京朝鮮中高級学校(東京都北区)の元生徒62人が国を相手に1人10万円の国家賠償を求めた訴訟の判決で、東京地裁は13日、請求を棄却した。田中一彦裁判長は、文部科学相の不指定処分について「裁量の逸脱や乱用があったとは認められない」と判断した。元生徒側は控訴する方針。

     全国5カ所に起こされた同種訴訟の判決は3件目。広島地裁判決は国側勝訴(7月)、大阪地裁判決(同)は「政治的外交的な意見に基づく違法な処分」として国側敗訴と判断が割れたため、東京判決が注目されていた。

     争点は、2013年に当時の下村博文文科相が朝鮮学校を無償化の対象外とした不指定処分の適法性。元生徒側は、処分前に下村文科相が定例記者会見で「朝鮮学校は拉致問題の進展がないことなどから、不指定の方向」などと発言したことを挙げ、「政治的外交的理由で不指定とするのは、教育の機会均等という高校無償化法の目的に反する違法な判断」などと主張した。

     判決は、文科相の発言は個別の処分について述べたものではなく、朝鮮学校に対する不指定処分を決定づけたとも言えないとした。また、処分の適法性については、朝鮮総連との関係などから「学校運営が適切かどうか、十分な確証を得られないなどとして出されたもので不合理とは言えない」とし、「政治的外交的理由」とは認めなかった。

     文科省は「国の主張が認められたものと受け止めている」とのコメントを発表した。【近松仁太郎、平塚雄太、巽賢司】

    「学ぶ権利」同じでは?

     「民主主義はあるのか」。午後2時15分過ぎ、東京地裁前。法廷から飛び出してきた元生徒側の弁護士らが「不当判決」「朝高生の声届かず」と書かれた紙を掲げると、支援者らは怒号を上げ、泣き出す女性の姿もみられた。

     東京朝鮮中高級学校の卒業生で、都内の大学に通う女性(19)は「学ぶ権利は他の高校と同じじゃないのか。絶対勝てると信じていたので(敗訴は)悔しい」と、目を赤くした。

     この日、傍聴券を求めて約1500人が並んだが、判決読み上げは1分程度。閉廷後に記者会見した原告の女性(22)は「悔しい思いでいっぱい」と涙を浮かべ、原告の男性(21)は「朝鮮人として堂々と生きる権利、子供たちの未来や笑顔などすべてを奪った判決に憤りを隠せない。権利を勝ち取るまで闘う」と語気を強めた。

     元生徒側の喜田村洋一弁護士は「明らかに政治的問題を考慮して不指定とした処分なのに、判決はそうは認めず、理由を十分に説明しきれていない。ひどい判決だ」と批判した。

     これに対し、ある文科省幹部は「国連安全保障理事会が経済制裁を決議しているのに、日本政府が朝鮮学校に(無償化対象の高校に給付する)就学支援金を出すわけにはいかない。『教育の機会均等』とは別次元の話だ」と、国の主張を全面的に認めた判決を評価した。【伊藤直孝、伊澤拓也】

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