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時代の風

各界の文化人が、それぞれの視点で混迷する時代を読み解きます。

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時代の風

追悼文見送りを巡って=中島京子・作家

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=内藤絵美撮影
=内藤絵美撮影

過去の過ち、学ぶべきだ

 時代の風がどっち方面に吹いているのか、心配になってくることの多い昨今である。

 9月1日は、防災の日、つまり、関東大震災のあった日だ。この日に東京都墨田区の横網町公園では、大震災の犠牲者の慰霊祭が執り行われる。そして、震災の後に起こった朝鮮人虐殺の被害者を追悼する式典も行われる。今年、この式典に、恒例となっていた都知事の追悼文を、小池百合子都知事は、送らなかった。

 小池知事は、民族差別を背景にした虐殺の犠牲者を追悼することに意義はないかと問われて、「民族差別という観点より、災害で亡くなられた方、さまざまな被害によって亡くなられた方の慰霊をしていくべきだと思う」と答えた。また、追悼文の送付中止によって、震災時に朝鮮人虐殺があったことを否定する動きにつながらないかという懸念に対しては、「さまざまな歴史的認識があろうかと思うが、関東大震災という非常に大きな災害、…

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