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読書日記

著者のことば 堀内修さん

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 ■読むオペラ 聴く前に、聴いたあとで 堀内修(ほりうち・おさむ)さん 音楽之友社・2376円

伝わるワクワク感

 今から約40年前、留学先のウィーンの国立歌劇場で大変な場面に著者は遭遇した。プッチーニのオペラ「トスカ」の第2幕、ヒロインのトスカが、愛を迫る警視総監のスカルピアから後ずさりした時だった。間違えて置かれていた燭台(しょくだい)の火が彼女のかつらに燃え移ったのだ。舞台袖で拷問を受けているはずのカバラドッシが、あわてて走り込んできてコップの水で消した。

 「ボウボウ燃えているなと、上の方の席から見ていました。一旦閉まった幕が、また開くと大拍手でした」。何が起きるか分からない。劇場でオペラを見る醍醐味(だいごみ)だ。「アイーダ」から「ワルキューレ」まで50の人気作品の魅力が明かされる本書を読むと、そんなワクワク感が伝わってくる。著者のデビュー作「はじめてのオペラ」(講談社現代新書、1989年)から一貫した持ち味の軽妙でユーモラスな文章には、終演後に…

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