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ゲノム編集最前線/中 リスク確認に課題 難病治療に光、創薬も

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 ゲノム編集技術は医学・医療分野も大きく変えている。難病の遺伝子治療に道を開き、創薬研究の可能性も広げた。一方、予期しない遺伝子改変のリスクのほか、ゲノム編集で生み出した生物の取り扱いについては明確な基準がなく、課題が残る。【荒木涼子、千葉紀和】

 ●ピンポイントで

 全身の筋力が低下する遺伝性難病・筋ジストロフィー。筋肉の働きに不可欠なたんぱく質の設計図となる遺伝子の異常が原因だが、根本的な治療法がない。この難題にiPS細胞(人工多能性幹細胞)とゲノム編集を組み合わせて挑む研究が、京都大(京都市)で進んでいる。

 堀田秋津(ほったあきつ)講師らは患者の体の細胞をiPS細胞に変化させて最新のゲノム編集で遺伝子を修復し、健康な筋肉細胞を作ることに成功した。これを患者の体に移植すれば筋力が回復する可能性がある。「遺伝子を直接狙えるゲノム編集だからできる治療。安全性を検証しながら進めたい」と堀田講師。現在はマウス体内の筋肉細胞で直接、ゲノム編集できないか実験中で、5年後の臨床試験開始を目指す。

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