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甲虫「ゾウムシ」の一部は、硬い体を作るのに必要な材料となる「チロシン」というアミノ酸を、体内に共生する細菌に作らせていることが分かったと、産業技術総合研究所(茨城県つくば市)などの研究チームが米科学アカデミー紀要に発表した。
ゾウムシの仲間は6万種以上いるとされる。頭の先端がゾウの鼻のように伸びているものが多いことから名づけられた。穀物を食べるコクゾウムシなど害虫が多い。産総研の深津武馬首席研究員は「共生細菌に着目した新たな駆除技術開発が期待できる」と話す。
甲虫は外敵や乾燥から身を守るため、「外骨格」と呼ばれる硬い体を持つ。チームは、甲虫の中でも特に外骨格が硬い八重山諸島の固有種「クロカタゾウムシ」など、4種のゾウムシに共生する細菌「ナルドネラ」の役割を調べた。幼虫を抗生物質にさらして細菌の量を減らすと、体液中のチロシン濃度が低下し、外骨格が軟らかい成虫になった。高温で細菌を死滅させると、成虫にならずサナギのまま死んだという。
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