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電通違法残業

「長時間労働は思考奪う」漫画で訴え

 電通の事件を受けて、過労自殺寸前まで追い詰められた経験を持つ女性イラストレーターが4月に出版した漫画が反響を呼んでいる。汐街(しおまち)コナさんの「『死ぬくらいなら会社辞めれば』ができない理由(ワケ)」(あさ出版)。汐街さんは「過労は『仕事を辞める』という選択肢が思い浮かばなくなるほど、人から判断力を奪ってしまうことを知ってほしい」と訴える。

 汐街さんは数年前にグラフィックデザイナーとして広告会社に入社。勤務時間は午前9時半~午後5時半と定められていたが、帰宅はいつも終電だった。「タクシー代削減のために終電で帰宅していたが、家が会社に近かったらもっと遅くまでいたと思う」。睡眠時間が3~4時間になる日もあったという。

 ある日、終電を待っている時、ふっと「今、線路に飛び込めば、明日会社に行かなくていい」との考えが頭をよぎった。「性格テストで『自己犠牲』の評価が常に低い私でも、死にかけた。冷静に判断ができないところまできていた」と振り返る。

 電通の問題について、ネット上で「死ぬくらいなら仕事を辞めればいい」とのコメントを見つけた。違和感を持ち、経験を漫画にしてネットに発信すると、反響は大きく、今回の出版に至った。

 汐街さんは「『長時間労働=いい社員』という価値観を変えなければ、過労死はまた起きる」と話す。【石山絵歩】

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