近年、病気や障害を持つ子の家族支援が医療現場で注目されている。その中で見落とされがちなのが、難病児のきょうだいだ。親や医師らが病児の治療やケアに意識が向く陰で、きょうだいは複雑な思いを抱え、深い傷を負うこともある。難病・障害児のきょうだい支援の現状を取材した。
●気兼ねせず遊んで
「冷たい!」「気持ちいい!」。山あいのせせらぎに、子どもたちの明るい声が響き、水しぶきがはねる。愛媛県愛南町で8月、病児と家族のお泊まり会「媛っこすくすく愛キャンプ」(NPO法人ラ・ファミリエ主催)が1泊2日で実施され、病気や障害を持つ子ども24人と、きょうだいや親ら25人が参加した。
「愛キャンプ」は難病児と家族が入院・通院時に利用する滞在施設「ファミリーハウスあい」(松山市)が2003年に設立された当初から、外出に負担を感じがちな病児と家族のために、毎年実施されてきた。15年の児童福祉法改正で、小児がんや慢性心疾患など722の疾病を持つ児童の自立支援事業が行われており、ラ・ファミリエは愛媛県と松山市の委託を受け事業を実施。現在、キャンプはこの一環で行われている。
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