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Theme 「関西の社会学者」著作続々 マイノリティーの現場を深く

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『飯場へ 暮らしと仕事を記録する』渡辺拓也著、洛北出版
『飯場へ 暮らしと仕事を記録する』渡辺拓也著、洛北出版

 社会学者と聞くと、最新の社会事象に命名をしたり、テレビのコメンテーターなどで活躍したりするさまが思い浮かびがちだ。実際は、長年、特定のマイノリティーなどの「社会問題」の現場を調査・研究する人が多い。特にこの約1年、主に関西の大学院出身で30代~40代前半の(人文地理学、人類学含む)研究者が、続々と著書を出した。ほとんどが初の単著。ノンフィクションとして一般読者が興味深く読めるものも多い。京都大出身だが東京在住の石原俊・明治学院大教授(社会学)は「この間の『西の社会学者』たちによる研究成果は、非常に密度と強度がある」と強調している。

 たとえば、日本最大の日雇い労働者の街とされてきた大阪市の釜ケ崎(あいりん地域)について。立て続けに3冊の研究書が出た。原口剛・神戸大准教授の『叫びの都市』(洛北出版)は、主に労働運動史を論じた。白波瀬達也・関西学院大准教授の『貧困と地域』(中公新書)は、この地域関連初の新書で、行政や町内会の視点も入れた。渡辺拓也・大阪市大研究員の『飯場へ』(洛北出版)は、労働者が継続して就労するための施設「飯場…

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