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社説

甲子園大会にタイブレーク 健康優先の流れを作ろう

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 日本高校野球連盟が甲子園大会にタイブレーク制度を導入することを決めた。来年春の第90回記念選抜高校野球大会から実施する。

 タイブレークは延長時に走者を置いて攻撃を始める特別ルールだ。決着がつきやすく、都市対抗野球大会や全日本大学野球選手権のほか、高校野球では明治神宮大会や国民体育大会で採用している。

 高野連は今回の導入について、選手の健康対策、特に投手の故障予防を理由に挙げる。大会日程を円滑に消化することも目的としている。地方大会については、どのように導入するのか具体的な検討に入る。

 現行の制度では延長十五回で引き分け再試合となる。連戦となり身体への負担を軽減するのは難しい。

 対策としてタイブレークの検討が始まったが「最後まで悔いなく試合をさせたい」「タイブレークは回数制限がなく、逆に選手の負担が増える」といった厳しい意見が出た。

 高野連が3年前に行った調査では、導入に理解を示したのは加盟校の半数にとどまっていた。

 しかし、選手の健康管理を重視する意識が現場に広がり、複数投手を育てるチームが増えた。5月の地方連盟への調査では「導入の時期に来た」との意見が大半を占めた。

 時間をかけて検討を重ねたことで、故障予防に有効な制度との認識が指導者らに定着してきた。

 ただ課題は残る。開始イニングは十三回と決まったが、甲子園大会での延長戦は十二回までに9割近くの試合で勝敗が決まっている。

 投手の肩や肘への負担軽減には、投球回数の制限が最も効果がある。ただし制度化すれば、選手層の厚い強豪校と他校との格差が広がる恐れがあり、公平性が問題になる。

 甲子園大会では3連戦を避けるため、4年前から準々決勝翌日を休養日にした。しかし、順延が続けば休養日はなくなってしまう。

 投手の故障予防を目指すには登板間隔を空ける必要がある。余裕のある大会日程を検討し、休養日の確保と拡大に取り組んでほしい。

 取りうる対策として、現状ではタイブレーク実施はやむを得ない。導入の効果を検証して、さらに議論を深め、選手の健康対策を優先する流れを作るべきだ。

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