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もう一度食べたい

今は店頭から消え、しかし読者の皆さんが「もう一度食べたい」と願う懐かしの食材、食べ物をご紹介します。

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駄菓子「棒きなこ」 「当たり」引けば幸せ気分

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コーヒーにも合う駄菓子の「棒きなこ」
コーヒーにも合う駄菓子の「棒きなこ」

 「はいっ」。愛想笑い一つ浮かべるでもなく、老主人はテーブルに皿を置いた。フォークは付いていない。注文の料理はミートスパゲティ。と、なると「これか?」。円筒状の箸入れに刺さっている割り箸を抜き、パキッと割ってスパゲティにソースを絡めた。「うーむ、レトロ!」。なんだか、とても落ち着いた気分になる。そんなとき、携帯電話が鳴った。午後8時3分。昭和の時代が薫る駄菓子「棒きなこ」の取材は夜になった。

 JR錦糸町駅(東京都墨田区)北口から東へ、高架沿いに約300メートル。訪ねるのは都内に「3軒しか残っていない」という駄菓子・棒きなこ製造元のひとつ「西島製菓」である。取材の電話に「早朝から原料の調合と製造。それが終わると駄菓子屋さんへの配達。店に戻るのは夜になる。なにしろ私1人でやっているものですから」と社長の西島誠さん(52)。そう言われ、午後6時過ぎに訪ねたが店は閉まっていた。

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