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歌えない「故郷」

東日本大震災6年半/2 津波から母救えず 一時帰宅、地区で1人

がれきの山を背に、防護服を着て自宅跡周辺を歩く菅本章二さん=福島県双葉町で、喜屋武真之介撮影

如何にいます父母 恙なしや友がき

 海を望む集落にススキが揺れていた。骨組みだけになった家、転がってさびた車が津波の激しさを物語る。

 9月15日、福島県双葉町の中野地区。私は菅本章二さん(61)の一時帰宅に同行した。波の音だけが響いていた。「この音聴くと、ウチに帰ってきたって感じがする」。少し前までは見るのもつらかった海に目をやった。

 原発事故で、町はほぼ全域が帰還困難区域となった。避難先の埼玉県加須市から一時帰宅する日は午前4時半…

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