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三浦 天紗子・評『長生き地獄』松原惇子・著

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長生きしたくない高齢者がいる国の未来

◆『長生き地獄』松原惇子・著(SB新書/税別800円)

 本当に幸せだと思う人生のためには、何をすべきなのか。『クロワッサン症候群』を書いた1980年代後半から、一貫してそのテーマを追い続けてきた著者が、いまもっとも関心を寄せるのが、どうすればいい死に方ができるのかだ。一見、ネガティブな切り口だが、介護危機や医療崩壊などが始終取りざたされる昨今、寝たきりや孤独死をどう回避するかは誰にとっても身近な話。

 そんな中で著者はとても憤っている。福祉に真剣に取り組まない行政に。親に死んでほしくないという一時の感情やエゴで親に延命措置を施す家族に。名ばかり“利用者ファースト”を謳(うた)うブラック福祉事業者に。自分の死に方について意思を持たない高齢者に。尊厳死の法制化を話し合おうともしない国家に。

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