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 日中の蒸し暑さも収まり、心地よい季節になってきたが、朝晩思いがけず冷え込み、慌てて毛布を出した家庭もあるかもしれない。寝具の出し入れは衣替えに比べ、時間も手間もかかるが、眠りの質を左右する。素材や汚れ具合に応じて手入れし、秋の夜長を快適に過ごしたい。

 ●心地よい眠りは

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 「亭主殺すにゃ刃物はいらぬ、しけた布団に高まくら……布団業界にはこんな言葉もあります」と話すのは、一般社団法人日本寝具寝装品協会(東京都中央区)の中村富夫さん。布団と湿度の関係は健康な睡眠に大きく影響するという。

 眠りの環境を表すのが「寝床(しんしょう)内気象」。寝ている人の体と寝具の間にできる空間の状態のことで、温度は33度+-1度、湿度は50%+-5%が理想とされる。寝ている間に人間は汗をかき、体温・室温とも上下するが、寝具が間に入ることで適度な保温と、湿気の調節が可能になり、心地よい眠りが得られる。

 ●主な汚れは汗

 寝具の汚れの大部分は汗。夏に使った薄手の肌掛け布団やタオルケットの手入れは家庭の洗濯機で洗えば十分だが、しまう前にしっかり干して乾燥させることが大切だ。

 同時に収納スペースの状態もチェックを。「ダニの生息に適した環境は温度が20~30度、湿度が60~80%。いまどきの住宅の押し入れは、年間を通して大きな変化がなく、ダニにとってすみやすい環境といえる」(中村さん)。夏物を片付けるときはよく晴れた日を選び、押し入れの中も風を通して乾燥させる。

 クリーニング店に出すときは、ドライクリーニングと区別してもらうために「丸洗い(水洗い)で」と伝えたほうがよい。昔は羽毛布団などに「できるだけ洗わない」という表示が付くこともあったが、ダニの死骸などアレルギー物質の除去には水洗いが適している。2016年12月には衣類の洗濯表示が新しい日本工業規格(JIS)表示に変わり、クリーニング店で水洗い可能な寝具には〓〓のマークが入るようになった。それ以前に製造された商品でも水洗い可能な製品は多い。

 ●冬物、干してから

 秋冬物の寝具は、晴れた日によく干してから使い始める。吸湿・放湿・保温という寝具の機能を十分生かすためだ。

 干す時間は、晴天なら午前10時から午後2時ごろまでの間の2~3時間。ただ、雨の翌日は、晴れていても地上から上がる水蒸気で大気中の湿度が高くなるので避けたほうがよい。

 紫外線は側生地を傷めるため、干すときは直射日光に当てる前に布団をカバーか使い古しのシーツなどで覆うようにする。

 外に干せない場合は布団乾燥機を活用する。50~60度になるのでダニを死滅させるには効果的だ。

 ウレタン製の敷き布団やマットレスは直射日光に当てると劣化して硬くなるので外に干すのは避ける。底面に湿気がたまらないように、壁などに立てかけて陰干しにする。

 ●組み合わせ調節

 近年は素材だけでなく綿・羽毛の分量も含め、さまざまなタイプの寝具が出回っている。気温の下がり方が一定でない今の季節は、何種類かの寝具を使い分ける人も多いだろう=表。

 西川産業(中央区)の速水美智子さんは「繭糸から作られる真綿の掛け布団は薄くても保温性に優れ、住む地域や戸建てか集合住宅かによっても異なるが、幅広い季節に対応できる」と勧める。クリーニングは専門の店を探すことになるが、最近は家庭で洗える製品もある。

 さらに気温が下がると、羽毛掛け布団と毛布の組み合わせが一般的だが「毛布の素材によって重ね方を変えてほしい」と速水さん。天然素材の毛布なら布団と体の間の隙間(すきま)を埋めるように羽毛布団の下に、アクリルなど人工素材の毛布なら、汗を吸わないので羽毛布団の上に重ねて保温性を高める。

 羽毛布団の手入れは、普段なら、カバーの汚れを家庭の洗濯機で落とすだけ。羽毛布団をクリーニングに出すのは3~4年に1回でよいという。また最近の羽毛布団は標準の1・2キロだけでなく、0・3キロ、0・8キロと羽毛の量を減らした薄手の製品を、2枚組み合わせて使うタイプの商品がある。気温に応じて調節しやすいので便利だ。

 ●来月の天候は

 気象庁が25日発表した10~12月の3カ月予報によると、10月は数日の周期で天気が変わるものの、東・西日本では「平年に比べ晴れの日が多いでしょう」。北日本太平洋側と沖縄・奄美では「平年と同様に晴れの日が多いでしょう」。洗ったり入れ替えたりした寝具を日に当ててふっくらさせるのにはちょうどよい季節になると期待できそうだ。【大和田香織】

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