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池内紀・評 『ことばだけでは伝わらない コミュニケーションの文化人類学』=西江雅之・著

 (幻戯書房・2376円)

 優れた言語学者、文化人類学者だった西江雅之は二年前に亡くなった。これはその遺作である。「マチョ・イネの文化人類学」のタイトルで季刊誌に発表したものに、大きく加筆修正した。それでも書き足りない思いがしたのだろう。刊行をのばしたままに世を去った。

 ここではコミュニケーションが「伝え合い」と言い換えてある。人間同士のコミュニケーションは「ことば」によるとされているが、現実の「伝え合い」は「ことば」だけでは決して成立しない。「『伝え合い』をとらえるための『七つの要素』についての考えは、わたしが半世紀近く前から温めてきたものです」

 大幅に手を加えても書き足りない思いがした理由がうかがえる。「手に負えないほど複雑な背景」に支えられた「伝え合い」の厄介さ。それとともに「半世紀近く前」、二十代の青年西江雅之の痛切な体験があってのことにちがいない。

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