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論の周辺

思想史のさまざまな読み方

 日本政治思想史研究者の苅部直・東大教授が著書『日本思想史への道案内』(NTT出版)を刊行した。書名は入門書のようなものを思わせるが、歯ごたえのある内容だ。

 まず、日本思想史という学問が、その性質上、いやおうなく政治と結び付かざるを得なかった歴史が明らかにされている。どういうことかというと、大学のアカデミズムにおいて「近代における学問としての日本思想史研究の出発点」は、「国民道徳論の講義や著作」にあった。

 東京帝国大哲学科教授だった井上哲次郎の『国民道徳概論』(1912年)が例に挙げられているが、明治の後半から昭和の戦中期まで帝国大学には国民道徳論の科目が設けられ、学生が卒業後に旧制中学などで教師として道徳を教えるための準備の場となっていたという。「当然それは、政府からの『忠君愛国』の道徳教育の要請に応え、ナショナリズム感情を通じた国民統合に寄与する学問として考えられていた」

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