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<くらしナビ・カルチャー>
日常の移ろい、感性にも刺激 亡夫・元永定正さんとも一煎
兵庫県宝塚市の住宅街。美術館や画廊で取材を重ねてきた造形作家、中辻悦子さんの自宅を訪ねたのは、いつもとは違う目的--小川流煎茶の手前を見せていただくためだった。
2階和室には、椅子に座って手前をする立礼(りゅうれい)席が整えられていた。中辻さんの絵付けと分かる茶碗(ちゃわん)や茶瓶を目にし、記者は一気に心が和む。お香がたかれ、別世界へといざなわれた。
5客並んだ小ぶりの茶碗を清める、湯で温めるといった一つ一つの所作が丁寧に、流れるように進む。クライマックスは一瞬だった。茶瓶を持った中辻さんの右手が、横に並んだ茶碗の上をすっと移動したのは、1秒ほど。大胆でカッコいい。
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