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ノーベル医学生理学賞

米国研究者3人に 体内時計を解明

受賞理由は「体内時計を制御する分子メカニズムの発見」

 スウェーデンのカロリンスカ研究所は2日、2017年のノーベル医学生理学賞を、体内時計をコントロールする「時計遺伝子」を発見し、その仕組みを解明した米国の3氏に贈ると発表した。授賞式は12月10日にストックホルムで行われ、賞金900万スウェーデンクローナ(約1億2400万円)が贈られる。

 受賞が決まったのは、ジェフリー・ホール米ブランダイス大名誉教授(72)とマイケル・ロスバシュ同大教授(73)、マイケル・ヤング米ロックフェラー大教授(68)。同研究所は「画期的な発見。体内時計は私たちの健康と福祉に影響を及ぼす重要な研究分野に発展した」と評価した。

 朝に目を覚まし、夜になると眠くなるような24時間のリズムを作り出す体内時計は、ヒトを含むあらゆる植物や動物の行動を支配している。海外旅行などで時差ぼけが起きるのは体内時計の影響だ。

 ホール氏らは1984年、ショウジョウバエをモデルに、日常の体内リズムを制御する時計遺伝子「ピリオド」を特定。ホール氏とロスバシュ氏はこの遺伝子によって作られるたんぱく質が夜間に細胞内で作られ、日中に分解されることを発見。24時間の体内サイクルと同調していることを突き止めた。ヤング氏は94年、ピリオドの機能を補完する時計遺伝子「タイムレス」を発見した。

 70年代に体内時計が遺伝子でコントロールされていることが分かり、遺伝子の発見競争が始まった。97年には金沢大の程肇(てい・はじめ)教授(ゲノム時間生物学)が哺乳類で同じ「ピリオド」を発見。体温や血圧、糖代謝などの生理機能を制御するとともに、遺伝子解析によって、生活習慣病などのさまざまな病気に関わることが分かっている。

 体内時計に詳しい吉種光(よしたね・ひかり)東大助教(時間生物学)は「私たちの健康や、幸福に関わる研究分野を開拓した功績は大きい」と話している。

 医学生理学賞は15年に大村智・北里大特別栄誉教授、16年に大隅良典・東京工業大栄誉教授が受賞したが、日本の3年連続受賞はならなかった。物理学賞は3日、化学賞は4日発表される。【荒木涼子】

臨床医療活用も

 昆虫の体内時計の研究に取り組んでいる大阪大の志賀向子(さきこ)教授(時間生物学)は「体内時計は、地球上の多くの生物が共通して持つ根本的な生命現象。キイロショウジョウバエで最初に遺伝子が見つかった。いろいろな生き物を研究することが、生命の謎に迫る上で重要だということが改めて示された」と指摘。また、「人間でも、さまざまな臓器に1日のリズムを刻む細胞が存在することが明らかになっている。体内時計に合わせて投薬のタイミングを計るなど、臨床医療にも役立つ可能性がある」と話した。

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