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あのバスに乗ったら、どこまで行けるんだろう--。ちらりと頭をよぎっても、行動に移した人は少ないはず。兵庫県西宮市の会社員、山本浩介さん(41)は休日を使って路線バスを乗り継ぐ旅を4年前に始めた。99日間で乗ったバスは548本。なんでバス?
デザインや型式に興味はない。「ただバスしか行けない所に何があるかが知りたくて」と山本さんは言う。
きっかけは2013年3月、通勤電車の窓越しにバスが目に留まった。「どこ行くんかな」。元々電車が好きで、路線図は頭にある。でもバスとなると「毛細血管みたいで、想像がつかない」。休日、近所のバス停からどこまで行けるか乗り継いでみた。直線距離で約30キロ、行ったことのない街で降りた。駅前のスーパーに寄り、食堂でご飯を食べただけなのに「見知らぬ場所それぞれに人の暮らしがある」と思うと、胸が高鳴った。
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