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社説

カタルーニャ独立住民投票 混乱の拡大を懸念する

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 欧州の新たな混乱の火だねになることを懸念する。

     スペイン北東部カタルーニャ自治州で行われた住民投票で、暫定集計によると投票総数の約90%がスペインからの独立に賛成した。自治州政府は来週初めにも、州議会の承認を得て独立を宣言する構えだ。

     一方、スペイン中央政府は、住民投票は憲法違反だとして効力を認めていない。

     中央政府は数千人の警官を派遣して多数の投票所を封鎖するなど、力で投票を阻止しようとして住民と衝突し、約900人が負傷した。独立派は強く反発し、ゼネストや抗議デモに訴えている。

     混乱が長期化すれば、スペインだけでなく欧州全体の安定をも揺るがしかねない。英国のスコットランドやイタリア北部など独立を求める各地の動きに飛び火する恐れがある。

     観光地として人気の高いバルセロナを州都とするカタルーニャ地方は15世紀にスペイン王国に統合されたが、独自の言語と文化を持つ。

     第二次世界大戦期には、スペインのフランコ独裁政権にカタルーニャ語の使用を禁じられるなど徹底的な弾圧を受けた。独立要求運動に歴史的な理由があることは理解できる。

     スペインの中では経済的にも豊かで、近年は自治州の税収が中央に吸い上げられ、他の地域に回されているとの不満が高まっていた。これも独立要求の要因になっていた。

     しかし、今回の住民投票では独立強行による混乱を懸念する反対派がボイコットし、暫定投票率は約42%にとどまった。独立を支持したのは有権者全体の4割に満たないことになり、必ずしも住民の総意とは言えないのが実態だ。

     経済のグローバル化や欧州統合で国家の垣根が低くなり、新たなアイデンティティーを民族や地域に求める動きを生んでいる。

     だが過激なやり方で既存の秩序を破壊しようとすれば、無用の混乱を生むだけだ。欧州各地の極右や民族主義色の濃い右派勢力を勢いづかせる可能性もある。

     スペイン中央と自治州の両政府は対立を過熱させないよう、速やかに妥協の道を探る協議を始めてほしい。欧州連合(EU)による仲介にも期待したい。

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