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社説

電通に罰金50万円 金額では測れぬ企業の罪

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 違法残業により労働基準法違反罪に問われた広告最大手・電通に対し、東京簡裁が求刑通り罰金50万円を言い渡した。

     新入社員、高橋まつりさん(当時24歳)が一昨年、過労自殺したことに端を発した事件は、法人としての電通が起訴され、社長が法廷で陳謝する異例の事態になった。

     「50万円」の罰金は決して重いとは言えないだろう。だが、事件は社会に衝撃を与え、政府が進めていた「働き方改革」の議論にも大きな影響を及ぼした。

     違法残業などによる過重労働は、日本企業に共通する課題だ。事件の教訓をくみとり、労働環境を根本から見直す契機とすべきだ。

     裁判で明らかになったのは、過重労働の改善に対する電通の後ろ向きな対応だ。電通は2014年に関西支社、15年には東京本社が、違法残業があったとして労働基準監督署から是正勧告を受けた。

     だが、電通は業務量の削減などに取り組むことなく、違法な長時間労働が常態化した。電通は、残業時間の上限を労使で定める「36(サブロク)協定」の緩和措置を選択し、逆に上限を引き上げた。

     判決が「抜本対策を講じることなく、形式的に違法状態を解消しようとした」と批判したのは当然だ。しかも、電通の労働組合は労働者の過半数に満たず、協定は無効だったと判決は認定した。電通の罪は重い。

     労使だけに任せていては、長時間労働の根本的な改善は難しい。そもそも「36協定」を結んでいない事業所は多い。電通のケースのように、協定自体に抜け道があるとも指摘されている。

     労使協定のあり方や、解散がなければ秋の臨時国会に法案が提出されるはずだった残業時間の上限規制など、長時間労働の是正に向けた議論を前に進めなければならない。

     時間外労働に関しては、NHKの女性記者が過労死で14年に労災認定されていたことが明らかになった。死亡直前の1カ月で残業が159時間に達していたという。

     不幸な死を防ぐためには、労働時間のみならず、カウンセリングなど労働者を支える仕組みが必要だ。あらゆる取り組みによって、働く人の尊厳を守らなければならない。

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