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張競・評 『文明としての徳川日本 一六〇三-一八五三年』=芳賀徹・著

 (筑摩書房・1944円)

博物学図鑑に芸術性求めた奥深さ

 「江戸時代」とはいわず、「徳川日本」という言葉にこだわっているのには理由がある。徳川日本を一つの独立した文明体として捉えるべきだと、著者が考えているからだ。

 この主張の根底には近代とは何かという問いかけがあるのであろう。明治以降、日本は西洋に倣い、近代社会の構築に成功した、と言われている。しかし、この認識の共有には一つの落とし穴が待ち受けている。政治制度や経済構造については「古くて」「遅れた」ものが「新しくて」「先進的な」ものに取って代わられたとの解釈が成り立つとしても、文芸や習俗、道徳や信仰の話になると、文化アイデンティティという問題がたちまち炙(あぶ)り出されてしまう。

 かつては、幕府時代は自由を抑圧する封建社会と見なされ、近代化は個人を封建的な社会関係から解放する過…

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