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田中優子の江戸から見ると

法政大総長・田中優子さんのコラム。江戸から見る「東京」を、ものや人、風景から語ります。

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読書

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 前回書いた北海道新聞のフォーラムで、保阪正康さんがトランプ大統領やプーチン大統領、安倍晋三首相などを次々に挙げて、読書をしているかどうかユーモラスに「判定」したのが、とても受けた。読書がいかにその人の深さ浅さに影響を及ぼすか、改めて気がついた。

 しかしその後、聴衆に言われた。「あまり読まない者がどうすれば読書を日常化できるか、それを教えてほしかった」と。確かにそのとおりである。

 江戸時代は日本で初めて出版社が生まれ、京都、大坂、江戸で年々出版が盛んになった。印刷技術も高くなり、カラー刷りの本も珍しくなかった。ものの本屋と絵草紙屋に分かれていて、後者は浮世絵や絵入りの本が中心、前者は文字の本が中心だった。主に正月に新刊書が出され、正月は本屋がにぎわった。貸本屋も正月は新刊書を背中に担いで家々をまわった。

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