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遺族年金、18億円過払い 検査院指摘へ

不適切な運用が判明した遺族年金の失権届(左)と、「遺族年金ガイド」

1万人抽出調査 資格喪失1000人に

 厚生年金などに加入していた夫を亡くした妻らを対象に日本年金機構が支給する遺族年金について、会計検査院がサンプル調査したところ、再婚などで受給資格を失った1000人弱に支払いを続けていたことが関係者への取材で分かった。今春までの過払い額は計約18億円に上るが、うち約8億円は5年の消滅時効を迎えており、返還請求手続きを取ることができない状態にある。

 受給者約536万人を数える遺族年金について、検査院が大規模な過払いを指摘するのは初めて。サンプル調査のため、実際の過払いの人数や金額はもっと多いとみられる。年金機構を巡っては約590億円に上る振り替え加算の支給漏れが発覚したばかりで、ずさんな運営に批判や不信が強まりそうだ。

 夫を亡くした妻が事実婚を含めて再婚したり、子供が18歳を超えたりするなど遺族年金の受給資格を失った場合、受給者側は年金の種類に応じて喪失日の翌日から10日または14日以内に「失権届」を最寄りの年金事務所に提出し、受給を停止させる必要がある。

 関係者によると、検査院は、遺族年金の受給者数が比較的多い地域にある約200カ所の年金事務所を選び、2016年度まで3年間の受給者1万人弱を抽出した。姓の変更や失権届の提出状況を、住民基本台帳ネットワークや戸籍情報を活用して確認した。

 その結果、900人強は失権届の提出が期限より遅れ、約17億円が過払いとなっていた。中には50年ほど遅れて提出した人もいた。また、約20人は受給資格を失ったのに調査時点で失権届を提出しておらず、過払いは約1億6000万円に上った。

 年金事務所の点検作業は、失権届の記載内容に不備がないかを外形的に確かめるにとどまり、記載内容を戸籍などと照合する仕組みになっていなかったことが主な原因という。検査院は近く、厚生労働省に対し(1)過払いの防止策をとる(2)年金機構に回収可能な過払い分の返還手続きを進めるよう指導する--などを求める方針。【松浦吉剛、島田信幸】

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