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[コラム]次善の策不足でフランスに惜敗…U17日本代表、苦い経験を次への教訓に

情報提供:サッカーキング

フランスに惜敗したU-17日本代表 [写真]=FIFA/FIFA via Getty Images
 漠然と懸念していた不安要素と、明らかな弱みの双方を露呈した試合だった。FIFA U-17ワールドカップインド2017の第2戦に臨んだU-17日本代表は、U-17フランス代表に1-2と苦杯。しかもその試合内容は、スコア以上に悪かった。

 ボール支配率では日本が上回った試合だが、「持たされていた」というのが正直なところだろう。前半からセンターバック間、センターバックとサイドバックのパス交換は多かったが、ボランチが前を向いて運べるシーンは数えるほど。FWに効果的な縦パスが入るシーンはより僅少だった。「自分たちから動かして相手を揺さぶることができないと。前半みたいにFWにボールが入らないようだと苦しい」とFW宮代大聖(川崎フロンターレU-18)は嘆いたが、フランスはきっちり日本対策をしながら、速攻中心にチャンスを量産してきた。

 そう、日本対策である。日本の心臓たる平川怜(FC東京U-18)は常に監視下に置かれ、FW久保建英(FC東京U-18)が得意とする中盤に落ちてのターンを狙うプレーも警戒されていた(それでも何度か起点は作ったが)。大外に広げてウイングの個人勝負を挑みつつ、守備のコンパクトネスが失われたところで効果的に中央、特にボランチの裏を使われる形も実に効果的。まんまと術中にハマったような流れのままに13分に失点。後半もポジションを動かしてギアを上げようとした直後の失点で万事休す。交代出場のFW山田寛人(セレッソ大阪U-18)の体を張ったプレーから宮代がPKを奪って一矢報いたものの、まさに反撃もこれまで。最後は全体にガス欠気味の中、フランスの逃げ切りを許した。

 親善試合ではアウェイでフランスに勝ったこともあるこのチームだが、やはり真剣勝負は研究と対策が入ってくる分だけ様子が違ってくる。「自分たちのサッカー」をぶつけ合うようなことはなく、まず相手のサッカーを壊しに行くのがU-17年代であっても世界のスタンダードだ。その意味で対策を立てられたときの次善の策が不足していたのは否めない。

 日本には育成年代で相手の研究をし、対策をピッチに落とし込むことを嫌う傾向が少なからず存在する。「相手の映像は見せない。大切なのは自分たち」というモットーの指導者も少なくない。もちろん研究や対策に縛られるだけでは話にならないし、まず自分たちのスタイルを突き詰めることも必要だろう。ただ、国際大会の真剣勝負での戦いぶりを見ると「対策をされ、それを打ち破るための試行錯誤をした経験値」自体が少な過ぎるのではないかという懸念もある。相手の対策でこちらのやりたいことができなくなったときに何を打ち出せるか。それもまたサッカーだし、サッカー選手としての能力だ。

 そして「対策の対策」はハーフタイムを待つことなくピッチ上でひねり出すべきもので、「対策の対策の対策」をされたならば、また「対策の対策の対策の対策」を打ち出す。それができる引き出しの多さが求められる。11対11でやる限り、万全の対策などあり得ない。どこかを重点的に守るなら、別のどこかに穴があるはず。このチームはそうした部分についても鍛えてきただけに、フランス戦の内容はなおさら物足りなかった。やれないことを要求しても仕方ないが、本来はもっとやれるチームである。

 森山佳郎監督はこのフランス戦を「いいレッスンだった」と形容した。次のU-17ニューカレドニア代表は格段にレベルの落ちる相手なので、横綱相撲でも押し切ることができそうだが、ラウンド16で待つ相手にフランス戦と同じようなモードで臨めば、返り討ちは必至。ここで味わった苦い経験を財産とできているかどうかが、そこでの成否を分けることとなる。

文=川端暁彦



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