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社説

沖縄米軍ヘリ不時着事故 基地集中の理不尽さ再び

 沖縄県の米軍北部訓練場近くの民有地に米軍普天間飛行場所属の大型輸送ヘリコプターが不時着し、炎上した。乗員や周辺住民にけがはなかったという。

     しかし、近くには県道が走り、集落もある。一歩間違えれば人が巻き込まれてもおかしくなかった。

     胴体部分が大破した機体は炎に包まれ、黒煙を上げる。ツイッターなどを通じた動画は事故の激しさを物語り、近くの住民らは「またか」と怒りや不安をあらわにした。

     不時着したCH53は全長約30メートルある米軍最大級のヘリで、2004年に沖縄国際大に墜落したヘリを改良した後継機だ。

     事故機は訓練飛行中に出火したとされる。米軍は最も重大な事故と公表した。徹底した原因究明と再発防止が必要だ。

     1972年の本土復帰以降、沖縄での米軍機による墜落・不時着などの事故は700件を超えるという。

     日本の国土面積の0・6%にあたる沖縄県に全国の米軍専用施設面積の70・4%が集中する現実が、事故の多さを反映している。

     昨年12月には名護市沖で輸送機オスプレイが不時着するなど、とくに近年は事故が沖縄に集中している。

     こうした実情が変わらない限り、沖縄県民にある反基地感情を拭い去ることはできないだろう。

     普天間飛行場の名護市辺野古への移設は、沖縄が反対し、日米合意から20年を経てなお実現していない。

     政府がいくら「強固な日米同盟」を強調しても、米軍基地をめぐる国内の鋭い対立を解消できないままでは、不安定さがつきまとう。

     現在の日米地位協定は、米軍基地の外で起きた事故であっても米軍に警察権があり、米軍の同意なしに日本側は現場検証もできない。

     米軍はこれまで事故機の機密情報の保護などを理由に共同捜査に応じず、日本は事故原因などを米軍の調査に委ねるしかないのが現状だ。

     今回の衆院選では、野党の多くが基地負担の軽減と合わせて地位協定の見直しや抜本改定を公約などで訴えている。

     政府には国民の生命を守る義務がある。もし地位協定がそれを担保できないなら、見直しを含めた検討が必要ではないか。

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